先日、急遽思い立ち書籍の断捨離を行いました。リビングと寝室に置いてある書籍だけで数百冊、その他に物置にも保管しているのでいつも家族に迷惑がられている次第です。
断捨離作業を進めていくと太宰治の『人間失格』が目に留まりました。中学生の時に太宰治に嵌り読み漁り、その中でも人間失格が一番好きな作品で、今までに事あるごとに読み返してきました。いつしか断捨離を忘れ読み始めていました。
『恥の多い生涯を送ってきました』で始まり人生を回顧していく.....気が付いたら太宰独特の世界に引き込まれ一気に完読していました。以前は主人公の不幸さにばかり目が行っていた気がしますが、今になって読んでみると周りの人間の薄っぺらさ、それに対する皮肉なども読み取れてきて、また違った印象を受けました。読んだ時期やその時の心情により印象が変わってくる、これもまた読書の面白いところだと思います。
まだまだ寒さの厳しいこの時期、断捨離も良いですが、本棚に眠っている本をもう一度読み返すのも良いのではないでしょうか。
( T.M )