経済のグローバル化が進んだ現代では、一見日本経済に直接関係のない出来事でも思わぬ形で波及して大きな影響をもたらすことが考えられます。
例えば、トランプ大統領による関税の引き上げでは最終製品を製造する中国企業に影響を与え、部品・原材料を製造する日本企業にも影響を与えています。また、日本と韓国の徴用工問題の背景から輸出管理の対象となったフッ化水素等の半導体製造に欠かせない原料を日本が独占・寡占していることは如何に各国が貿易に依存しているかを示す一例です。
新型コロナウィルスの感染拡大の過程では、マスクやアルコール消毒液の需要が急増しました。その結果、ドラッグストアでは品切れが続出し、今後も当面品薄状態が続く様相です。これも背景を考えると、製品は大量に中国で製造され、日本に輸出されていて、中国の安全保障を優先して供給されるように輸出管理がされている影響があると報道で伝えられていました。また、中国で新型コロナウィルスの感染防止のために工場がストップし続けることは、中国で製造する最終製品のための日本企業の部品や原材料の需要が減少し、日本の企業にも少なからず影響を与えていくかと思われます。当面観光や外出を避けて国内消費意欲も減退していくことが想定されます。
新型コロナウィルスというと病気としてその病気そのものの対策に目が行きがちですが、企業の経済活動には段階的に遅延して売上に波及していく可能性があるので、今後の動向に注意を払って新聞・ニュース等を見ていきたいと思います。
(by M・K)