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発行日:平成25年12月16日
25年10月の閣議決定で、「すまい給付金」の導入が決まりました。消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和する制度です。消費税率8%時には、収入額の目安が510万円以下を対象に最大30万円を給付します。
1.給付の時期は | ・平成26年4月から平成29年12月まで実施 |
2.給付の対象者は | ・引上げ後の消費税率で住宅を取得し、その住宅に居住する人 ・収入が一定額以下の人(子供1人のケースでは510万円以下) ・住宅ローンを借りない場合、入居年の末で50歳以上である |
3.給付対象住宅は | ・引上げ後の消費税率が適用された住宅である ・床面積が50㎡以上である ・第三者機関の検査を受けた住宅である |
4.給付金の額は (消費税率8%時点) |
・給付基礎額は収入金額に応じて決まる。 子供1人のケースでは収入金額425万円以下で30万円、475万円以下で20万円、510万円以下で10万円と収入金額で差がつく。 ・実際の給付額は、給付基礎額×持分割合で決まる |
5.給付金の申請は | ・給付金は入居後に申請する ・申請は取得者ごとに行なう。夫婦共有なら、夫婦別々に申請する ・「本人受領」が原則だが、住宅事業者による「代理受領」も可能 |
「住宅ローン減税」制度も、消費税率引上げに合わせて大幅に拡充されています。
適用期日 | 平成26年3月まで | 平成26年4月~29年末 |
最大控除額(10年間合計) | 200万円(20万円×10年) | 400万円(40万円×10年) |
控除率と控除期間 | 1%で、10年間 | 1%で、10年間 |
住民税からの控除上限額 | 9.75万円/1年 | 13.65万円/1年 |
適用要件 | ①床面積が50㎡以上であること ②借入金の償還期間が10年以上であること |
(文責 税理士 大和田利明)
平成25年度税制改正により、中小法人※について800万円以下の交際費全額が税金を計算する上での費用(損金)として認められることとなります。
※事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人をいい、普通法人のうち事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人などの一定の法人による完全支配関係がある子法人等を除く。
改正前は、中小法人が支出した交際費について損金として認められるのは限度額600万円(定額控除限度額)までで、しかもそのうち10%は損金として認められておりませんでした。改正後は、定額控除限度額が800万円に引き上げられ、その全額が損金として認められることとなります。つまり、損金に算入しない金額は定額控除限度額を超える部分の金額となります。この改正は、平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用され、同日前に開始した事業年度分の法人税については、従来どおり適用されます。
◎誠に勝手ながら12月29日(日)~1月3日(金)までを年末年始の休みとさせていただきます。
発行日:平成25年10月7日
安倍政権は先日、平成26年4月から消費税率を8%へ引き上げる決定をしました。実施にあたっては、消費税の転嫁を円滑かつ適正に進める必要があり、これを規定する法律も成立しています。(消費税転嫁対策特別措置法)
①規制の対象となる立場の強い「買い手」は、「大規模小売事業者」と「資本金3億円以下の事業者と継続取引している事業者」です。
②禁止される行為は
・減額や買いたたき | ・契約後に事後的に消費税分を対価から引く、消費税上乗せ分の値引きを求める事 |
・購入や役務の利用の強制 | ・消費税率引き上げの代わりに、買い手側の商品やサービスの購入を強制する事 |
・税抜価格での交渉拒否 | ・税抜価格で交渉したい申出を拒否する事 |
・報復行為 | ・公取委員会への告げ口を理由に、取引拒否や取引減する事 |
違反行為があった場合、公正取引委員会が勧告・公表を行います。
平成26年4月以降、消費税還元セールの表示は禁止されます。それ以外にも「消費税は転嫁しません」・「消費税率上昇分は値引きします」・「消費税相当分のポイントを付与します」などは使用禁止。これに違反すると消費者庁から勧告を受け、公表されます。
現在、消費者向けには「総額表示」が義務づけられています。但し、この10月1日からは、「外税表示」と「税抜価格の強調表示」が認められています。これは事業者の値札の貼り替えなどの事務負担に配慮している為です。
具体的な表示方法としては、①1,000円(税抜) ②1,000円+税 ③1,000円+80円(税)④1,000円(税込 1,080円)があります。
また、個々の値札は税抜価格のみを表示し、店内の目に付きやすい場所に「当店の価格はすべて税抜価格です」の表示を行うことも認められました。もっとも、消費者の誤認への配慮の為、できるだけ速やかに「税込価格」表示に努めることとされています。
(文責 税理士 大和田利明)
2014年に始まる少額投資非課税制度(NISA)の口座開設申請手続きが10月1日に開始され、日本経済新聞によると金融機関を通じた初日の申請件数は300万件を超えたと報じられていました。そこで話題のNISAの主な特徴と注意点、一職員の感想をまとめてみました。
(1)投資信託・上場株式等の譲渡益・配当金が非課税になる。
(2)年間100万円の新規投資額の非課税枠がある。
(3)投資額に対して最長5年間の非課税期間。
(4)対象は日本に住む20歳以上の方。
(5)NISA口座を開設できるのは一人一口座のみ。
(1)NISA口座では損失を繰り越すことができない(利益を出すことが前提)。
(2)NISA口座と一般・特定口座との損益通算はできない。
(3)NISA口座を開設した金融機関(証券会社、銀行)の取り扱う投資信託や株式の中からしか選ぶことができない。
(4)非課税期間終了の5年経過時に取得価額が見直される
(評価損を出していたら以前より安い価格で取得したものとされてしまう)。
先日、資産運用とNISAを勉強することもかねて住民票を取得し、口座開設の申請を行いました。利益を出さないと非課税の恩恵を受けられないので、運用先が一番重要だと思い悩んだ結果、証券会社でREIT(上場不動産投資信託)を購入することを検討しています。配当をメインに非課税にして制度の恩恵を確実に受け長期で運用する予定です。元本で損をすれば意味がない制度なので、資産運用の勉強が不可欠といえそうです(触らぬ神に祟りなし?)。
発行日:平成25年8月6日
地元の東邦銀行でも、7月8日から1,500万円までの教育資金一括贈与向け「教育資金専用口座 未来・ふくしまっ子」の取扱いを始めました。利用上の注意点は以下の通りです。
Q1.非課税の特例を受ける為の手続きは | A1.この制度のしくみは「贈与者の祖父母が、子・孫名義の教育資金専用口座に一括して資金を出して、その後は金融機関が領収書などで使途を確認する。」ので、①銀行に専用口座を開設する。②祖父母と子・孫の間で贈与契約書を作る。③銀行に「教育資金非課税申告書」を提出する。の手続きが必要です。口座の開設には本人確認書類や印鑑、戸籍謄本、住民票なども必要です。 |
Q2.専用口座は複数開設できるか | A2.開設可能な専用口座は1人につき1つで、複数の金融機関での開設はできません。 |
Q3.手数料はかかるか | A3.東邦銀行の専用口座の手数料は無料です。 |
Q4.預入方法や金額は | A4.専用口座を開設した店舗の窓口で預入をします。金額は1,500万円までで複数回での預入もできます。 |
Q5.資金の引出方法は | A5.引出に当たっては、①先に教育資金を払い、その領収書等で引出す立替方式 ②教育資金の請求書で口座からの振込をする同時決済方式 ③領収書等を後から提出する条件で、概算額を引出す概算払方式 のいずれも対応できます。 |
Q6.資金の使い残しがあった場合は | A6.子・孫が30歳になるまでの教育資金が対象です。30歳に達した日に専用口座は終了し、使い残しや教育資金以外に使用した額があれば、贈与税の対象で基礎控除額(現行110万円)超の場合は申告が必要です。 |
Q7.30歳到達前に祖父母が亡くなった場合は | A7.先に贈与契約で贈与が行われていて、その精算を30歳到達時にするため、祖父母の死亡時での申告はありません。 |
Q8.現行の教育費のその都度贈与はできないか | A8.扶養義務者(祖父母含む)から被扶養者(子・孫)へ必要と認められる学資等を必要な都度、贈与する場合、贈与税は非課税です。現行の取扱いに変更はありません。 |
(文責 税理士 大和田利明)
月々の事業の状況を確認する際は、どうしても損益計算書に目がいきがちです。
みなさんは、貸借対照表をゆっくりご覧になったことがありますか?
そこで、今回は貸借対照表の基本的な構成等をご説明いたします。
貸借対照表は、会社の財政状態をあらわし、別名B/S(ビーエス=バランス・シート)と呼ばれます。
事業の資産=負債+純資産 でバランスが取れているという事です。
負債は他人資本、純資産は自己資本とも呼ばれます。同じ資本でも他人からの資本は、速い遅いの違いはあってもいずれ返済する必要があります。
そこで安定した経営のためには、自己資本の増強が必要となるわけです。
この帳票の起源は、ヨーロッパの商人が航海等の貿易で収益を上げていた時とも言われております。貴族に資金を借りて、1回の航海ごとに収益を精算する。その名残から資産は借りたものなので借方、負債は貸した方なので貸方となったとか…
その後、1回のみの精算では終わらない、工場等による大資本を要する事業の出現で徐々に、損益計算書に主役を譲るかたちとなりました。
ただ、近年貸借対照表の重要性が、見直されております。
事業の損益を貸借対照表側から確認する、会計用語では「資産負債アプローチ法」と呼ばれる方法があります。損益計算書と貸借対照表で事業の本質をダブルチェックするわけです。
資産負債アプローチ法では、貸借対照表の資産・負債を時価評価します。大企業では徐々に採用されてきておりますが、中小企業でも有価証券の評価などで一部導入されています。
歴史のある貸借対照表ほど、土地などに含み損益があったり、昔のことで忘れている資産があったりします。また、仮がついた勘定は残っていませんか?仮はあくまで、仮ですので本来ははやめに精算すべき勘定です。
大和田会計事務所では、企業が書類を作成するに当たって拠るべき指針である中小企業の会計指針や、会計要領を使って正しい貸借対照表を提示しています。
発行日:平成25年6月10日
「アベノミクス」の成長戦略では、10年後に1人当たりの国民総所得を150万円以上増やす目標です。これを後押しする「所得拡大促進税制」が新たに設けられました。「会社良し」「社員良し」「地域良し」の三方良しに成るよう上手に使いましょう。
Q1.適用期間は | A1.平成25年度~27年度の3年間です。 |
Q2.制度の利点は | A2.給与支給額を増やすと中小企業では最大20%の税額控除ができる。 |
Q3.制度を利用する条件とは | A3.①給与等支給額が基準事業年度の給与等支給額より5%以上増加。 ②給与等支給額が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと。 ③平均給与支給額が前事業年度の平均給与支給額を下回らない。 |
Q4.事前の届出は | A4.税務申告前の手続きはなく、申告書に必要事項の記載をするのみ。 |
Q5.役員報酬を増やしても減税か | A5.給与の増加額の計算に含める対象は、①国内の事業所に勤務する者 ②賃金台帳に記載された者(パート、アルバイト含む)です。役員とその親族等は除く(使用人兼務役員も除く)で従業員のみです。 |
Q6.給与の増加額の比較時期はいつか | A6.給与を比較する「基準事業年度」は平成25年4月以降開始事業年度の前事業年度です。3月決算法人では平成25年3月期、12月決算法人では平成25年12月期で、個人事業では平成25年度です。 3月決算法人は25年4月から給与支給額を増やすと、減税効果が期待できますが、12月決算法人では25年12月までは給与を増やしても、減税にはなりません。 |
Q7.給与に含めるものは | A7.国内雇用者に支払う、俸給・給料・賃金・賞与を言い、損金算入されるもの。残業手当、通勤手当など給与所得になるものも含みます。決算賞与も損金算入される事業年度の給与等支給額です。 |
Q8.平均給与支給額を増やすのか | A8.会社が払う給与等支給額の総額を増やすことも条件ですが、平均給与支給額が減らないことも条件です。平均給与等支給額は事業年度の給与支給額の総額を月別支給対象者の合計数で割ります。中途退職者、新規採用者も人数に含めます。 |
Q9.青色申告要件 | A9.青色申告が要件です。白色申告者は適用できません。 |
(文責 税理士 大和田利明)
さて、消費税法改正により平成26年4月1日から、新税率8%が適用されます。平成27年10月1日からは10%課税が施行予定となっています。
消費税増税は、消費者の目には物価の高騰と映るため、消費の駆け込み需要が予想されています。さらに、段階的な増税は事業者側にとっては、事務負担の煩雑さが伴います。
混乱を避けるためには、適正な取扱いについての知識が必要です。
資産の譲渡等及び課税仕入れ等が行われた日が平成26年4月1日前か否かにより適用税率が異なるため「時期」については要注意です。
しかしながら、改正消費税法附則において一定の取引については、平成26年4月1日以後に資産の譲渡等が行われた場合であっても旧税率を適用する経過措置が設けられています。
取引 | 経過措置 |
---|---|
旅客運賃等に関する経過措置 | 施行日(平成26年4月1日)前に旅客運賃等を領収しているもので、施行日以後に乗車等されるものは旧税率適用 |
電気・ガス・水道等の供給に関する 経過措置 | 施行日前から継続して行われる供給等で施行日から平成26年4月30日までの間に検針等で料金が確定するものは旧税率適用 |
工事の請負等に関する経過措置 | 平成25年9月30日までに締結した工事の請負に係る契約に基づき、施行日以後に資産の譲渡等を行うものは旧税率適用 |
資産の貸付けに関する経過措置 | 平成25年9月30日までに締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き行われる資産の貸付けで、一定の要件を満たすものは旧税率適用 |
役務の提供に関する経過措置 | 平成25年9月30日までに締結した役務の提供に係る契約に基づき、施行日以後に行われる役務の提供で一定の要件を満たすものは旧税率適用 |
「CLUE」2013.6.1発行より一部引用
個々の事例によっては取扱いが異なるケースがあります。不明点があれば、担当者又は税理士へお問い合わせください。
【お知らせ】
7月11日(木)に「決算書とキャッシュフローの見方」について研修会を開催します。
平成25年税制改正の小冊子の配布も予定しておりますので、多数ご参加下さい。
発行日:平成25年4月12日
親や祖父母(贈与者)から子や孫への1,500万円までの教育資金の一括贈与が非課税扱いに。政令等で、詳細が明らかになりましたので、お伝えします。
Q1.祖父母から孫への贈与が対象か | A1.祖父母からだけではなく、直系尊属(例えば、曽祖父母、祖父母、父母)からの贈与が対象です。叔父・叔母や兄弟は対象外です。 |
Q2.適用期間はいつからか | A2.平成25年4月1日から平成27年12月31日までの2年9ヶ月に行われる贈与が対象です。 |
Q3.贈与の対象になる教育資金とは | A3.学校教育法上の幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校、各種学校に直接払う金銭が該当する。①入学金、入園料、授業料、保育料、設備費、検定料に加え、②学用品費、修学旅行費、学校給食費などの教育に伴う費用も含みます。 |
Q4.1,500万円まで非課税になる費用は | A4.学校等で必要な費用で、直接に学校等に支払う場合は1,500万円まで非課税になります。業者等に支払う場合で、学校が支払いを認めたものは、500万円までの非課税枠があります。ただし、両者の合計の非課税枠の上限は1,500万円です。 |
Q5.学校以外の500万円の非課税枠の対象は | A5.学校等以外の者に支払われる費用で塾や家庭教師以外にも、スポーツ(スイミング・野球・サッカーなど)や芸術(ピアノ・絵画・バレエなど)の月謝や施設使用料とスクールで使う物品の購入費用も該当します。 |
Q6.教育資金の贈与の手続きは | A6.①祖父母らが金融機関に子や孫名義(30歳未満が対象)の教育資金(上限1500万円まで)を預ける。②資金が必要な時は、教育機関からの領収書を提出して預金から払出すか、請求書等で預金から振込払いをする。③預ける期間は、子や孫が30歳に達するまで。④使い残しがあった場合、贈与税の対象になる。 |
Q7.教育資金の贈与を扱っている金融機関は | A7.25年4月現在で教育資金の贈与を取り扱っているのは、国内の各信託銀行のみです。他の金融機関では、ホームページによると取扱いを検討している最中とのこと。徐々に増えていくものと思われます。 |
(文責 税理士 大和田利明)
年に一度は決算書をもとに、資金状況や収益性、そして成長性を過去の決算データと比べて、現状を把握します。
あさ出版「社長のための“いい税理士”の探し方」より
発行日:平成25年2月15日
平成25年1月から、税務調査手続きを定めた国税通則法の改正が施行されています。改正のねらいは、調査手続きの透明性や予見性を高めて、納税者の協力を得ながら効果的な調査の実施をすることとされています。間近に新たな通則法による調査を受け、変わった点が確認できましたのでお伝えします。
これまでの税務調査の依頼は、最初に納税者へ電話で日程の確認をして、その後に顧問税理士に通知されていました。電話の通知は同じですが、通知内容は①調査する旨、②調査開始日時、③調査をする場所、④調査の目的、⑤調査対象税目、⑥調査対象期間、⑦調査対象となる帳簿の例示、⑧調査を行う職員名など11項目にわたり、今までは聞かなければ答えてもらえないことも通知内容に盛り込まれました。実際には、これを電話口で長々とされるので、税務署の電話で緊張する中、メモを取りながらの対応はツライようです。日程確認以外は顧問税理士に詳細の通知依頼ができますので、ぜひその旨を税務署に伝えてください。
今までは、パソコンの中の記録の確認については曖昧なところがあり、調査官により差がありましたが、まずは画面上で調査官が確認できる状態にしておき、必要と思われるところを操作しながら示す。さらに、必要とされる場合、プリントアウトして渡すことや記録媒体(USBなど)にコピーを依頼するとされました。ゆえに、事前にパソコンの記録の整理も必要です。また、調査書類の預かりも「留置き」と呼称され、定型の預り証の発行をするなど手続きがハッキリしましたが、その分、資料の持ち帰りの頻度が増えました。正当な理由がない場合、帳簿書類の提出や提示を拒むと新たに罰則規定が設けられましたが、現場ではまだ強権的な扱いを控えて対応している印象です。
調査はおおむね、申告是認か修正申告で終わります。今までは、口頭や電話で、納税者や顧問税理士に対して結果の説明をして終了することが多く、書面での通知は一部だけでした。これが、申告是認も修正申告も書面による通知がされるようになりました。特に修正申告の場合は、納税者本人に対しての調査結果の報告と修正申告の勧奨をし、さらに「その後の不服申立てはできないが、更正の請求はできる」旨の書面が後日、交付されてきます。
(文責 税理士 大和田利明)
税理士・会計士のように試算表を見慣れているプロの目は、ポイントをさっとみて、その会社がどのような状況にあるのかを判断しています。まず、損益計算書の3点、貸借対照表で8点の合計11点のポイントを見ます。みなさんもプロの目で、会社の試算表や決算書を見てみましょう。
売上の観点からは何よりも売上高が上がっているのかどうかをみる。売上が伸びている企業にはそれなりの理由があります。次に数量が減少しているか、単価が下落しているのかなどの傾向に注目。
まずは一人あたりの付加価値生産性が減少していないかなど、減少についてチェックすることが重要。
一般的に一流企業の一人当たりの付加価値生産性は1,400万くらいです。
企業の役員が役員給与をとっているかをみる。金額的に役員給与はどれくらいか、未払いとなっていないかなどみる。また、引当金、減価償却費は妥当な数字となっているかを確認する。
最も単純で大きなポイントは、純資産がプラスかマイナスかということです。企業の通常の状態は、純資産がプラスになっている。逆にマイナスになっていれば、その企業は欠損企業であり、破産が間近か、あるいは実質上破産している状態です。
増運か減運かをみる。増運とは運転資金が増えている会社のことであり、減運とは運転資金が減っている会社のこと。増運の会社とは飲食業、エステサロンなどの業種に多くみられ、減運の会社は建築業が代表的です。
現金預金の推移(3期~4期)によって会社の状況が把握できる。期末残高がゼロに近い会社であれば危険です。
借入金が適正かを把握する。借入先が複数である場合は1本化するのが望ましい。
まずは、売掛金の増減をみる。売掛金が増えていれば、売上が伸びているということが一般的である。しかし、単純に売掛金が増えていればよいというわけでもない。売掛金・買掛金のバランスも重要な要素といえます。売掛金が多いのは現金が回収できていないわけであり資金繰りという観点からは危険です。逆に買掛金が多いのは、掛けで取引をしているとはいえ、資金繰りの観点からはよいです。
棚卸資産が寝ている状態になっていないかをみる。棚卸資産が回転して売上原価となっていれば企業の業務は順調ですが、何年も寝ている状態の企業は、業務が順調ではないといえる。
貸付金は外部への資金のもち出しである。外部への資金持出しは、資金繰りの悪化の可能性を含んでいる。
貸付金の回収不能となる場合、問題です。又、ゴルフ会員権などは実質価値のない可能性があるので、要注意です。
売掛金・買掛金と同じことがいえ、回転期間、長期滞留をみます。
あさ出版 経営計画より