3月の国会で、インボイスと並んで、電子データ保存制度も事務負担を緩和する措置が成立し、令和6年1月以降の保存方法が決まりましたので確認します。
1.前提:電子データ保存に詳しくない、ITツールにも不慣れな小規模事業者で
①電子取引はあるが、カード会社や電力会社、アマゾンなど月に数件程度で
②専属のスタッフがいない。
③手間はやむをえないが、追加のコストは掛けたくない。
場合に、簡単にデータを保存する際の対応方法です。
2.現在はどうなっているのか。(令和5年中の経過措置)
1の小規模事業者でも、今年中は電子取引のデータを紙で出力して保存する方法が認められています。
3.来年からどう変わるのか。(令和6年1月以降の保存方法)
帳簿書類の保存義務がある事業者(法人・個人とも)が、電子データのやり取り(電子データの請求書や領収書、見積書、注文書、契約書など)をする場合、この電子データの保存が必要になります。
もちろん、紙でやり取りしたものを敢えてデータ化する必要はありません。
電子データの正確性を確保するためには、
①改ざん防止の措置が必要になります。具体的には改ざん防止を定めた「事務処理規程」を作成します。
国税庁のHPにひな型があります。
②税務調査で税務職員から指示されたデータの出力ができるようにディスプレイやプリンタ等の備え付けが必要です。
③税務調査において「日付・金額・取引先」が検索できるようにしておきます。
認められる方法は以下の2つです。
(文責 税理士 大和田利明)
自計化で、市販ソフトを使用されているお客様も、多数いらっしゃいます。
軽減税率8%が導入された際、入力にひと手間増えたように、インボイス導入でも
ひと手間増えますので、それについてご案内します。
事業者は、消費税について、免税、簡易課税、本則課税に区分されます。
インボイス取引を、仕訳入力の際、厳密に行わなければならないのは、本則課税の
事業者です。(簡易課税の場合でも、入力方法は本則と変わらない場合が多いようです。)
では、インボイスをどこで表現するか?今のところ2つのパターンを確認しています。
①消費税区分を追加する(勘定奉行等)
②消費税区分は変えずに、請求書区分を追加する(弥生会計等)
消費税区分を追加する①の勘定奉行等は、消費税コードに「課税仕入(免税事業者等)」と
いうものが出来るようですので、わかりやすいと思います。
そこで、新たに請求書区分の欄が追加される弥生会計のパターンを以下ご説明します。
請求書区分欄で、「適格」か「区分記載」を選択できるようになっています。
「適格」は、今まさにはじまろうとしている、適格請求書の事で、なじみが出てきていると
思います。
「区分記載」は? 私も忘れておりました。消費税8%と10%が出来た際に、それを分けて記載しなさいとなったのが区分記載請求書です。適格請求書以外を総称するため、区分記載と表現したようですね。10月1日以降の仕入については、登録番号が無い請求書等を受け取った際には、区分記載を選択してください。
なお、インボイス登録をされていない相手先が、限定的な場合は、会計ソフトによっては補助科目を設けるなどして、確認の手間を少なくする事もできます。設定については、弊社担当にご相談下さい。
(by N・H)