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大和田会計ニュース 第136号

消費税増税に向けての準備

 10月からの消費税増税まで、残り1ヶ月程度となりました。事前の準備をチェック項目でまとめましたので、確認事項としてお役立てください。

チェック項目

注意点

『簡易課税を選択している』もしくは『免税事業者である』・8%の9月30日までに①売上げを増やす。②仕入は買いだめしておく。(資金繰りの範囲内で)

9月と10月の売上や仕入れを区分けできるように、9月末で売掛金・買掛金の残高をとります。

『原則課税を採用している』(簡易課税は選択できない場合)・消費税の転嫁ができていれば、実額計算なので8%・10%の課税売上、課税仕入の有利不利は無い。 最終消費者相手の事業では、駆け込み需要が予測されます。
『会計ソフトや販売管理ソフトの更新と試用をしたか』・まずは、会計ソフトや販売管理ソフトを更新して10%税率に対応しているか確認する。 10月前に練習が必要です。
『請求書や納品書の改定、レジスターの更新、値札やカタログの切替の準備をしたか』・値札の表示は原則として総額表示(税込)だが、2021年3月までは税込価格でなくても良い。 10月切替から逆算したスケジュールを立てます。

○○円(税抜) ○○円(本体) ○○円+税 の表示などもできます。

『月末締め以外の請求書では、10月に8%と10%が混在します。誤りなく運用できるか』 20日締なら、9/21~9/30(8%)と10/1~10/20(10%)の2通の請求書発行がお勧めです。
『軽減税率対応商品の仕入れがないかを確認する』⇒仕入れを税率ごとに分けて記帳する。

新聞図書費→定期購読契約の新聞(店売りは10%)

交際接待費→中元・歳暮・手土産の飲食料品

広告宣伝費→景品として配布する飲食料品

会 議 費→会議用の弁当、菓子、飲み物

福利厚生費→一服用の飲み物、ウオーターサーバー

レシートの中身を分かるようにする。レシートは1枚になるが、仕訳は、食料品等の8%のものと、それ以外の10%のものを分けて記載します。

 (文責 税理士 大和田利明)

 

棚卸資産の取得価額に含めるべき費用

税務調査においては、棚卸資産の計上漏れを指摘される場合があり、とくに棚卸資産の取得価額の算定についての誤りが多く見受けられるそうです。

棚卸資産の取得価額には、購入代価のほか、その資産の消費・販売のために直接要した費用である購入付随費用も含まれていますが、取扱いの上では、事務処理の簡便化の観点から、その購入付随費用が棚卸資産の購入代価の概ね3%以内と少額である場合には、取得価額に含めず、経費処理することも認められています。

経費処理が認められている購入付随費用は、棚卸資産の取得後に生じた購入付随費用に限定されており、法人税基本通達では、一定の要件の下、経費処理が認められる購入付随費用を挙げております。

  1. 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等のために要した費用
  2. 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用
  3. 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたる保管に要した費用

ただし、購入した棚卸資産の場合、その取得価額には、購入代価のほか、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など購入のために要した費用や消費・販売の用に供するために直接要した費用も含める必要があります。これらの費用については3%の少額基準は適用されず、運送保険料や関税については、誤って保険料や租税公課として処理してしまう場合がありますので、ご注意ください。

なお、棚卸資産に係る付随費用のうち、下記の費用は、たとえ棚卸資産の取得や保有に関連して支出するものでも、棚卸資産の取得価額に含めないことができます。

  1. 不動産取得税
  2. 固定資産税、都市計画税
  3. 特別土地保有税
  4. 登録免許税その他登記や登録に要する費用
  5. 借入金の利子

さらに、棚卸資産を保管するのに要した費用(保険料を含む)も、取得価額に算入しないことが認められておりますので、該当する方は、ご確認ください。

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