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大和田会計ニュース 第135号

「無予告調査と重加算税について」

6月は税務署側での年度末にあたるので、税務調査も佳境の時期になります。
調査に不慣れなお客様方にとって、特に入口と出口で気にかけていただきたい点が、「無予告調査」と「重加算税の対応」になります。各々に簡単に説明します。

1.無予告調査の留意点(調査の着手:入口で)
 通常の税務調査は、まず、税務署から税理士に連絡が入り、日程調整の後にスタートします。
これが、朝1番にいきなりオフィスに調査官が来て、「今から税務調査をしますので、協力下さい。」と言われるのが、無予告調査です。全体の数%程度の頻度ですが、お客様には、とても負担に感じられることです。この時の、対処法になります。

①  事務所内には入れない。「すぐに税理士に連絡するので、そのままでお待ちください。」入れてしまうと調査を承諾したとみなされてしまう。
②  今日は予定があると伝える。予定自体は、商談・打ち合わせ・出張等や病院の通院、体調不良、慶弔ごとなど幅広く主張できる。
③  あくまで、調査を拒否するのではなく、次の調査予定を税理士と相談して決める。

※無予告調査の際は、玄関先で待ってもらい、すぐに顧問税理士に連絡する。
あとの対処は、税理士を通して行ってもらう。

2.重加算税の対応(調査の終着:出口で)
 税務調査で、誤りが見つかった場合、税金を負担して終結となります。この際に、通常の過少申告加算税か、重加算税かが分かれます。
両者を分けるものは、「事実を隠ぺいし、又は仮装しているか否か」です。
重加算税に該当すると、「追加の加算税が35%と通常より25%も増える。」
「将来の調査頻度が増える」「延滞税も高くなる」など大きなデメリットがあります。

隠ぺい・仮装の具体的な事例が例示されていますので、該当するか否かの検討が必要となります。
①いわゆる二重帳簿を作成している。
②決算に関係する帳簿書類(帳簿、証ひょう書類、棚卸表など)を破棄又は、隠匿している。
③帳簿書類の改ざんをする、虚偽記載をする、意図的に集計違算する。
➃帳簿書類に売上を記録しないで脱ろうする、棚卸資産を除外する。
⑤簿外資金を役員賞与として流用している。

(文責 税理士 大和田利明)

 

経営の計画Q&A

①経営計画書とは何なのか?
会社が利益を生むためには目標が必要です。
そのために具体的な行動目標や数値目標をまとめたものが、経営計画書です。
簡単に言うと会社が進む方向を示した地図みたいなものです。

有名なイソップ童話「ウサギとカメ」でなぜウサギはカメに負けたと思いますか?
ウサギは慢心し、カメは前進し続けたから勝つことができたと考えるのが一般です。
しかし、ウサギとカメの最も大きな違いは、ゴール=目標をみていたかどうかです。
カメに負けるはずがないと思ったウサギは、カメをみてゴールをみていなかったのです。
会社も同じことです。目標がないと、どこに向かって進んでいいのかがわからないのです。

② 経営計画は数字のみの計画ですか?
数字だけではありません。予算をたてるのは経営計画の一部でしかないのが正しいです。予算を管理するのは予実管理です。この予実管理を経営計画と勘違いしている人がたいへん多いです。
経営計画で一番大事なのは理念と行動計画です。 具体的な理念・行動計画がないと、『良かったことの評価』『悪かったことの評価』『次回へ向けて課題抽出と目標の修正』ができないためです。

経営計画の数字作成を会計事務所がすべて行うことは正しいのか?
会計事務所が作るものではなく、社長と社員が一緒につくるものです。会社経営に携わっている社長を差し置いて、会計事務所が勝手に作ることは本来不可能です。会計事務所はあくまでコーチ役。プレーヤーは社長や社員です。
社長が戦略目標の大枠を決め、それをもとに社員全員が数字目標・行動計画を立てなければならないのです。

➃経営計画づくりはいつから準備すればよいのか?
決算の2~3ヵ月前に方針の大枠を考え、それをもとに翌期経営計画を立てていかなければなりません。

⑤経営計画には経営理念を書いてなくてもよいのか?
経営理念とは「社長の思いを言葉にする」こと。したがって、経営理念は企業文化をつくる上で欠かせないものです。

⑥目標と実際の結果の確認は、年1回社長と幹部がすればよいのか?
全員で目標共有し、達成していくことが大事です。 1ヶ月に1回のペースで目標に対する確認⇒目標の見直し⇒行動のサイクルで行います。

経営計画の作成における社長の役割は何か?
   社長の役割は大きな目標を立て、ゴール地点を全社員に理解させることです。

 あさ出版 『経営計画もっと儲かる経営計画のつくり方』 一部参考

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