昭和の時代の株式会社は、7人以上の発起人で設立されていたので、歴史ある会社ほど名義株が残っている可能性があります。
名義株主でも、ひとたび相続が発生すると相続人が株主として増えていき、様々なトラブルの原因となりがちです。
ここでは、会社の支配権の確保と少数株主の権利をまとめてみました。
将来の揉め事を防ぐため、現在の株主構成を確認いただくと共に、後継者への集約を念頭に、自社株の買取や贈与の検討を始めることをお勧めします。
「非公開会社」(一般的な中小企業)の持株比率と株主権利
株 主 の 権 利 |
持 株 要 件 |
持分会社への組織変更 |
議決権の100% |
特別決議ができる ●定款変更 ●監査役の解任 ●重要な事業譲渡・合併・分割・解散の決定 |
議決権の2/3以上 |
普通決議ができる ●取締役の選任・解任 ●役員報酬の決定 ●剰余金の配当 ●計算書類の承認 |
議決権の50%超 |
解散請求権 |
議決権の10%以上、又は発行済株式の10%以上 |
取締役・監査役の解任請求権 会計帳簿の閲覧・謄写請求権 |
議決権の3%以上、又は発行済株式の3%以上 |
株主総会招集請求権 |
議決権の3%以上 |
株主提案権(取締役会設置会社) |
議決権の1%以上、又は議決権300個以上 |
単独の株主権利 ●株主提案権(取締役会非設置会社) ●株主代表訴訟提起権 ●書類等の閲覧・謄写請求権 (定款・株主名簿・計算書類等・株主総会議事録・取締役会議事録) |
1株以上 |
(文責 税理士 大和田利明)
ローカルベンチマークとは
経済産業省が作成した「簡易企業診断表」のようなものです。
この表を活用して企業の経営者等や金融機関・支援機関等が、企業の状態を把握し、双方が同じ目線で対話を深め、お互いに課題を認識し、お互いが改善のための行動につなげていくための「きっかけ」または「たたき台」として活用されるものです。
〇企業側の活用法
自らの経営を振り返り、経営判断の参考とし、経営力を高め、金融機関等の関係者と対話するための手段となり得るものです。また普段から対話のために何を確認・準備しておくべきなのかなどについて日頃から考えるきっかけとなります。
〇金融機関及び支援機関の活用法
自らの意識や行動を振り返り、企業や他の支援機関等と企業の事業性や課題について対話する際の参考とし、企業との対話力を含む能力を高めるものです。
ローカルベンチマークで分析されるものは
「財務情報」と「非財務情報」に分かれ、前者は「売り上げ増加率」などの数値に関係することと、後者は「経営者のビジョン」などの数値にしにくい定性的なものに分かれています。
〇財務情報の具体的内容
1<売上持続性> 売上増加率(=(売上高/前年度売上高)-1)
2<収 益 性> 営業利益率(=営業利益/売上高)
3<生 産 性> 労働生産性(=営業利益/従業員数)
4<健 全 性> EBITDA有利子負債倍率(=(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費)
5<効 率 性> 営業運転資本回転期間 (=(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商)
6<安 全 性> 自己資本比率(=純資産/総資産)
〇非財務情報の具体的内容
1経営者への着目 (具体的例 経営者の思い・経営者の再生に関する意識・スタンス後継者の有無・事業の方向性・ビジョン・経
営者の手腕など)
2事業への着目 (事業の商流・製品・サービス内容・市場規模など)
3企業を取り巻く環境・関係者への着目 (顧客のリピート率・従業員の給与、取引金融機関数とその推移など)
4内部管理体制への着目 (同族企業か否か・人材育成の方法・社内会議の有無・経営目標の有無と共有状況・組織体制等など)
*尚数値の計算法及びフォームは当社所長及び担当者へ確認ください。
(当社は認定支援機関も受けている事業者です。)
★ 誠に勝手ながら8月11日(木)~8月14日(日)までを夏期休業とさせて頂きます。