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大和田会計ニュース 第169号

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例

令和6年の確定申告の時期となりました。土地等の譲渡があった場合は税額も大きくなりますので、申告書を作成する時は特別控除など適用できるものが無いか慎重に検討する必要があります。
最近、適用されるケースが増えている「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除の特例」について内容を確認していきます。

  • 制度の概要
    相続日から3年以内に被相続人が居住していた家屋又は敷地を売却した場合、一定の要件を満たした場合に譲渡所得の金額から3,000万円(家屋と敷地のいずれも相続した相続人の人数が3人以上の場合は2,000万円)を特別控除する。(適用期限 令和9年12月31日まで)
  • 特例の対象となる「被相続人居住用家屋」および「被相続人居住用家屋の敷地等」
    【被相続人居住用家屋】
    相続の開始の直前において被相続人が居住していた家屋で、次の3つの要件全てに当てはまるものをいいます。
    イ.昭和56年5月31日以前に建築されたこと
    ロ.区分所有建物登記がされている建物でないこと
    ハ.相続の開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと

【被相続人居住用家屋の敷地等】
被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地や借地権をいいます。
なお、相続の開始の直前においてその土地が用途上不可分の関係にある2以上の建築物(母屋と離れなど)                      のある一団の土地であった場合には、その土地のうち一定の部分に限ります。

  • 特例を受けるための要件
    (1)一定の要件の元に売却していること
    (2)売却代金が1億円以下であること
    (3)売却した家屋や土地について、他の特例の適用を受けていないこと
    (4)親族等、特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

添付書類には、市区町村から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要なケースがありますので要件に該当しそうな場合は早めに準備する必要があります。

(文責 所属税理士 髙橋由里)

 

【2025年4月】 育児・介護休業法が改正されます

2025年4月1日から『育児・介護休業法』の改正がされていることをご存知でしょうか?
今回の改正は、男女問わず育児介護と仕事との両立支援を強化・離職を防止し、柔軟な働き方を可能にすることが目的です。なお、施行は2025年4月と10月に分けて段階的に行われます。
ここでは4月に改正される概要についてご説明いたします。

1.所定外労働の制限の対象範囲が小学校就業前の子を養育する労働者に拡大されます。

2.子の看護休暇の対象となる子の範囲が小学校3年生に拡大されるなど取得要件が緩和されます。

3.3歳に満たない子を養育する労働者に義務付けられた短時間勤務制度の代替措置にテレワークが追加されます。

4.3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務化されます。

5.介護休暇を取得できる要件が緩和されます。

6.介護に直面した旨の申出をした労働者に対して個別の周知・意向確認を行うことが義務付けられます。

7.介護に直面する前の早い段階(40歳)での情報提供が義務付けられます。

8.介護離職防止のための雇用環境整備が義務付けられます。

9.要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務化されます。

10.育児休業の取得状況の公表義務が労働者数300人超(現行1,000人超)の事業主に拡大されます。

11.従業員数100人超の企業は次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に育児休業の取得状況等に係る状況把握・数値目標の設定が義務付けられます。

以上が改正概要です。詳細は厚生労働省のホームページをご覧ください。
育児・介護休業法の改正は従業員の働き方に大きく関わるため、企業としてもしっかりと改正内容を把握しなければなりません。特に今後は労働者人口の減少に伴い労働者の確保が難しくなることが予想されます。このため、育児や介護を理由とした退職を最小限に抑えることが重要になります。従業員のライフスタイルに合わせて、柔軟な働き方が出来るように職場環境を整えることも重要な課題です。
今回の改正では広範囲な対応が求められるため、早めに準備に取り組むことをお勧めします。

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