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大和田会計ユース 166号

令和6年1月からの「相続時精算課税制度」のおさらいと利用状況

1.相続時精算課税制度のおさらい
要件
①贈与する人は60歳以上の父母や祖父母
②贈与を受ける人は18歳以上の子や孫
③最初の贈与を受けた翌年の申告書の提出期限に精算課税の届出書を提出
計算方法
①贈与を受けた財産のうち、2,500万円までは贈与を受けた時点では非課税
②贈与者の父母や祖父母が亡くなると子や孫が非課税で受け取った贈与財産を加えて相続税を計算する
③相続時精算課税制度を一度選択すると同じ贈与者からの暦年贈与制度には変更できない

2.今回の改正のポイント
もともと制度が複雑なうえ、贈与者が亡くなるまでの管理が必要であることから使い勝手が悪く、制度の利用が低調でした。また、相続時精算課税制度を始めると少額の贈与でも贈与税の申告が必要でした。
ポイント
①相続時精算課税制度でも年110万円以下の贈与税の申告が不要になりました。
②改正前は贈与財産をすべて相続財産に加算しましたが、今後は年110万円の基礎控除が使えます。精算課税制度の採用後は200万円の贈与の場合、加算する対象は(200万円-110万円)で90万円となります。

相続時精算課税制度を使って、高齢者世代から若年者層へ、必要な時期に必要なお金を移動させやすくするように見直しされました。
また、税務当局サイドでも、相続時精算課税制度を選択した贈与者の相続税の申告では、生前贈与の加算もれを防ぐ効果と無申告件数の減少が期待されます。

3.現状の贈与税の利用状況(仙台国税局発表:福島県の実績)

令和4年分

令和5年分

増減率

申告人員 1人当たり納税額 申告人員 1人当たり納税額 申告人員 1人当たり納税額
 

暦年課税

  人

3,749

万円

48

  人

3,699

万円

78

  %

▲1.3

+62.0

(内 特例)

1,827

1,865

+2.1

(内 一般) 1,922 1,837 ▲4.6
精算課税 798 650 835 1,020 +4.6 +57.0
合計 4,547 60 4,534 94 ▲0.3 +57.0

※福島県では、暦年課税制度は前年比減ながら、相続時精算課税制度の利用者は伸びています。

(文責 税理士 大和田利明)

ふるさと納税、初めて1兆円越え

8月2日、総務省が令和5年度実施の「ふるさと納税に関する現況調査結果」を公表しました。

ふるさと納税の寄付額は、約1兆1,175億円(対前年度比:約1.2倍)、寄付件数は約5,895万件(同:約1.1倍) 、ワンストップ特例制度適用件数は約2,048万件(同:約1.1倍)となっています。
※「ワンストップ特例制度」は確定申告が不要な給与所得者の方などで、1年間のふるさと納税先が5自治体以内の場合に限り、ふるさと納税先団体に申請することにより確定申告をしなくても寄付金控除を受けることができる制度です。

寄付額が多かった自治体は、
1位 宮崎県都城市の約193億円(前年度1位)
2位 北海道紋別市の約192億円(前年度2位)
3位 大阪府泉佐野市の約175億円(前年度5位)
4位 北海道白糠町の約167億円(前年度4位)
5位 北海道別海町の約139億円(前年度12位)

都道府県別の受入額・受入件数はともに北海道が1位となっています。

ほとんどの団体でふるさと納税をする際に使途を選択できるようになっており、選択できる範囲も分野だけでなく、具体的な事業を選択できる自治体もあります。

 

ちなみに、利用率はどのくらいかと思いインターネットで検索したところ、都道府県別「利用者数・利用率」と「平均寄付金額」が掲載されていました。(ふるさと納税ガイドサイト掲載)

福島県は利用者数は、70,435人で27位、利用率は8.4%で44位、平均寄付金額は101,123円で4位でした。

総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」
000960659.pdf (soumu.go.jp)

ふるさと納税ガイド ふるさと納税の都道府県別「利用者数・利用率」と「平均寄附金額」
https://furu-sato.com/magazine/32339/

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