1.中小企業に対する軽減税率の維持
対 象 | 所得金額区分 | 税 率 |
中小企業等法人(資本金1億円以下) | 年800万円以下 | 15% |
年800万円超 | 23.9% |
※現在の軽減税率が、平成28年度末まで2年延長
2.欠損金の繰越期間の改正
欠損金の発生年度 | 繰越期間 |
平成20年3月31日以前終了年度 | 7年 |
平成20年4月1日以後終了年度 | 9年 |
平成29年4月1日以後開始年度 | 10年 |
※現状 9年間の欠損金の繰越期間が、平成29年4月開始年度から 10年間に延長
3.所得拡大促進税制の拡充
※現状は下記の3要件を満たすと「10%の税額控除(法人税額の20%を上限)」
要件① | 給与等支給額の総額 | 平成24年度から一定割合以上増加 |
要件② | 給与等支給額の総額 | 前の事業年度以上 |
要件③ | 給与等支給額の平均 | 前の事業年度を上回る |
このうち、要件①の給与総額増加要件の「一定割合」が緩和されました。
~平成27/3月開始年度 | 平成27/4~28/3開始年度 | 平成28/4~29/3開始年度 | 平成29/4~30/3開始年度 | |
現行 | 2% | 3% | 5% | 5% |
改正 | 2% | 3% | 3% | 3% |
これにより、要件が合わずに適用できない年度の翌年以降でも、
平成24年度からの増加割合のハードルは、「3%増」に低くなりました。
4.商業・サービス業・農林水産業活性化税制の延長 (平成28年度末まで)
※平成29/4月予定の消費税率再引き上げ前に経営改善設備の導入を促進
誰が対象か | 商業・サービス業を営む中小企業 |
適用要件は | 経営革新等支援機関の経営改善指導を受ける |
取得資産は何か | 30万円以上の器具備品、60万円以上の建物附属設備 |
メリットは何か | 取得価額の30%の特別償却か、7%の税額控除 |
(文責 税理士 大和田利明)
1.書面添付制度とは
書面添付制度とは、税理士が作成した申告書について、どのような項目について、どの資料を、どの程度確認して、どのように検討・判断したかを記載した書面を税務署へ提出する制度のことです。
具体的には、お客様から提示して頂く月次資料を中心にチェックしたことを書面にまとめ、作成した書面を確定申告書に添付して税務署に送付します。
2.書面添付制度を採用した際のメリット
書面添付制度を採用することで、税理士がきちんとお客様の経理をチェックしていることが証明されるため、税務調査の実施が減少される可能性があると言われています。
さらに、添付書面を作成するにあたりチェック項目について検討・確認をするため、結果として決算書類の正確性が高まります。
金融機関の中には、この書面を付けている法人に金利の減免を採用しているところもあります。
3.具体的な記載事項
書面添付書類には、税務調査に向けて重要と思われる項目を中心に記載します。
具体的には、
(1)前年と比較して大きな増減がある項目について具体的に理由
(2)会計処理方法に変更等があった部分に変更内容と変更理由
(3)相談に応じた事項について相談内容、相談に対する指導又は確認をした事項
を記載します。
4.チェックする書類等
お客様の会計書類作成の基礎としている書類等は、以下のもの等があります。
(1)現金出納帳 (2)通帳(残高証明書) (3)棚卸集計表 (4)売掛金元帳
(5)買掛金元帳 (6)借入金返済予定表 (7)固定資産台帳 (8)賃金台帳
(9)借入金返済予定表 (10)領収書、請求書等
具体例
科 目 | 元にした資料 | |
固定資産の増減 | 契約書、請求書等 | |
前払費用 | 借入金の保証料 | 保証料に係る書類 |
家賃 | 契約書 | |
修繕費 | 請求書 | |
売上 | レジペーパー、売上請求書類、作業日報、自家消費台帳、工事台帳 | |
人件費 | 賃金台帳、源泉納付書、源泉徴収簿 |